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2010年08月25日

巻き貝 その1

田んぼの中を覗いてみると、小さな巻き貝を目にすることがある。
大抵サカマキガイかヒメモノアラガイだ。

サカマキガイは熱帯魚ブームで世界中に広がり、最も良く見られる水生巻き貝になってしまった。
水の汚れに強いため田んぼに肥料を入れすぎているようなところにも見られる。
ヒメモノアラガイは比較的汚れにも強い種だが、サカマキガイほどでもない。

メダカのがっこう事務局の循環式田んぼで調べたところ、台所排水で汚れているところにはサカマキガイが多く、水が澄んで溶存酸素が高くなってくるにしたがいヒメモノアラガイの方が増えてきた。
だからヒメモノアラガイが見られる田んぼは、昔ながらのヘイケボタルが棲めるような田んぼとも言える。
サカマキガイが田んぼに増えていると言うことは、収量を獲ろうと欲張りすぎて肥料を沢山入れ、水を汚しているのではないか?
この二つの貝を知ることで、田んぼの水の状態も判ってしまうんだ!

一見似ている両者だが、よく見るとかなり違う。
特に、以下の3つを覚えておこう。
1:貝の巻き方が逆。殻の頂上から右巻がヒメモノアラガイ、左巻がサカマキガイ(逆巻貝)。
2:触覚の形が違う。ヒメモノアラガイは三角。サカマキガイは紐状。
3:裏から見ると足の形が違う。サカマキガイは黒くて後ろが尖っている。
 
生きもの調査担当 林 鷹央

写真:ヒメモノアラガイ(左)とサカマキガイ(右)比較
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2010年03月15日

生きもの調査に行こう!

生きもの調査って何でやっているの?何を数えているの?とよく聞かれます。

メダカのがっこうの一番の特徴は生きもの調査をすることなのかも知れません。
「食の安心安全」という人間側だけの都合ではなく、いのちの視点で農業を見つめ、2千年以上も生態系の一部として人々の暮らしや文化、自然を支えてきた「農家」という職を後世に伝えていくことが大切だと考えています。

都会の人々と農家を結ぶ共通用語が「生きもの」です。
生きもの調査で一番大切なことは、いのちにまなざしを向けることだと思います。
当初は農法に生きものを結びつけたり、数値で表して有機農業の正しさを証明するといったことにも力を注ぎました。
しかし「人間の利益になるからこの生きものが必要だ」「これば害虫だ」となりかねません。
もっと広い視野でいのちの田んぼを見てみると、稲を食べるでもなく、害虫と呼ばれる虫を食べているわけでもない只の虫の存在に気が付きます。
それらを含めた多様性を見る目こそが、農薬に頼らない農業を成功させ、消費者にはいのちを育む農作物を見分ける力を与えてくれます。

生きもの調査の内容は季節によって違います。
いつ行っても旬な生きものに出会うことができます。
日本の四季と農家の愛情を感じに出かけませんか?

林 鷹央

旬な生きもの時期目安(別表)
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2010年01月01日

田んぼの狩人(ハンター)たち

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コクロアナバチ
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ベッコウバチ
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クモを狩るベッコウバチ
 田んぼの狩人と聞いて思い浮かべる虫は何かな?
タガメやゲンゴロウ、クモやカマキリ。

 あまり知られていないけど、夏から秋に生きものいっぱいの田んぼで佇んでいると、忙しく飛び回っている虫がいることに気付く。
良く見ると黒いハチで、スズメバチぐらい大きいのがクロアナバチ、小型の方がコクロアナバチだ。
小さな体で地中深く(1mくらい)にまで穴を掘り、キリギリスの仲間を狩って卵を産み付け、幼虫の餌にする。
以前紹介した小柄で身体が軟らかいササキリの仲間などは格好の餌食だ。
写真のコクロアナバチは、ウスイロササキリに抱きつき、穴に入れるのに邪魔になる長い触覚を噛み切ろうとしていた。

 またベッコウバチの仲間も良く見られる。
こちらは自分よりも大きなクモを狩る。
わざわざ何で強いクモを狙うのか不思議だが、それに負けないだけの武器として、飛行能力、大顎、麻酔針、そして大きなクモを引きずって運ぶための丈夫な脚を持っている。
田んぼのハンターたちの子どもが地下に眠っていると思うと、冬の田んぼ周辺にも生命が充ち満ちているように感じられる。

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2009年11月01日

秋の田んぼでバッタを観よう

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 田んぼは田植え、草取り、稲刈りの時は街のファンたちも押しかけてとても賑やかだ。
しかし稲刈りが終わると田んぼにはパッタリと人が訪れなくなり、来るのはメダカのがっこうの生きもの調査隊くらいだ。
稲もなくなり寂しく見えても、生きものいっぱいの田んぼならバッタを観て楽しめる。

 2009年10月に佐原の田んぼを調査をしにいった。
大型のショウリョウバッタは残念ながら時期が終わってしまって観られなかったが、オンブバッタやイナゴ類、大きなトノサマバッタも観られた。
冬水田んぼにしてある椿さんの田んぼでは、湿ったところが好きなハネナガヒシバッタが、秋に田んぼを訪れた人に驚き、水に飛び込む姿も。
イナゴは稲の蘖(ひこばえ)を食べて暮らしているようだ。 
 畦に草を残してくれている田んぼでは、蘖や畦草にクサキリ、クビキリギス、ウスイロササキリといったキリギリスの仲間も観察できる。
下から見ると口の部分が口紅を塗ったように真っ赤で、その名の通り「首斬りギス」だ。
クサキリは良く似ているが、頭がクビキリギスほど尖っておらず、“口紅”もほとんど無い。

 彼らを見ているとまるで稲や田の草たちが生きものに姿を変えて跳んだり歌ったり(鳴いたり)しているような気持ちになる。
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2009年09月01日

事務局田んぼのヤゴ調査

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■ グラフ 2009年夏 トンボ羽化推移
■ ウスバキトンボ(橙色)、オオシオカラトンボ(青)、シオカラトンボ(水色)、モノサシトンボ(黒)、不明(赤) 

2009_9nukegara.jpg 武蔵野市吉祥寺にあるメダカのがっこう事務局の田んぼを作って4年目。
田んぼから沢山のトンボが羽化していることに気付いた中村理事長は、家族と事務局の田中さんの協力を得て、ヤゴ殻集めを始めました。
集めたヤゴ殻を種類別に分類し、数えた表を作ってみた。

 驚くべきは、水温が4℃以下では死んでしまうため、東京では羽化しないと言われていたウスバキトンボが多数出ていることだ。
去年までは見られなかったのに、ずいぶんと気候が暖かくなったようで、グラフを見るとウスバキトンボの羽化は前半2週間に集中し、後半はパッタリと出なくなっている。

 最も目立ったのはオオシオカラトンボ。
その他にシオカラトンボやモノサシトンボも羽化している。
街中のこんなに小さなスペースから、沢山のトンボが旅立っていく。
昔の農薬が撒かれる前の田んぼはさぞかしトンボが多かったことだろう。
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2009年07月01日

水生カメムシ(大型、中型)

 農薬を使用しない田んぼで草取りが始まる季節は、水生昆虫たちの現れる時期でもある。
中でも田んぼを代表する大型、中型の水生カメムシは子どもたちにも人気が高い。
昔はどこにでも見られたタガメを筆頭に皆、相手の体液を吸う肉食性。
だから生きものいっぱいの田んぼが必要なんだ。
タガメの好物を卵からかえって〜成虫までの過程で見てみると、ユスリカの幼虫等→ヤゴや魚の子ども等→ドジョウ、フナ、カエル等と身体の大きさに合わせて捕らえられる獲物が変わってくる。 

 他の虫たちの好物(成虫時)も見てみよう。
タイコウチはメダカが大好きだ。
メダカが居るような土水路が残っているところで見かけることが多い。
大型のヤゴなども食べてしまう、タガメの次に強い水生カメムシだ。
 ミズカマキリはオタマジャクシや大きめのユスリカ、メダカ、マツモムシなんかも食べている。
 コオイムシは形はタガメに似ているけど、ずっと小さい。
ユスリカ幼虫やメダカ、小型のヤゴなどを好む。
また、手先が器用なので、モノアラガイやサカマキガイのようなツルツルで掴みにくい生きものの体液を吸うことも出来るんだ。
 マツモムシは主に水面に落ちた虫などを食べている。
でも水中でメダカや魚の稚魚を捕らえたり、小型のゲンゴロウやミズスマシも食べたりする。

さてクイズです。
@〜Dまでいくつ名前が判るかな?
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→答えはコチラ
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2009年05月01日

ハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイ

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ハクセキレイ
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セグロセキレイ
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キセキレイ
 鳥と言えば空を飛ぶ姿を思い浮かべますが、田んぼを所狭しと歩き回る鳥がいます。
セキレイの仲間です。
一番よく見かけるのがハクセキレイ。
街の中や、学校の校庭、冬にカラカラに乾いてしまうような基盤整備された田んぼでも見られます。
素早く歩きながら尾羽を上下にピコピコと動かします。
チチチッと泣きながらヒヨドリのように波打って飛ぶので、すぐに分かります。

 パット見では分からない紛らわしい鳥がセグロセキレイ。
顔の黒い部分の割合が違うので写真を良く見てくださいね!
でもこちらはなかなか見られません。
水辺が好きなようで、近年田んぼから姿を消しつつある鳥です。
しかし1年中水をはってある冬水田んぼに行くと見ることが出来ます。
鳴き声がハクセキレイより濁っているので、人に気付いて飛び立つときの声を聴けば分かります。

 さらにキセキレイというのもいます。
喉から腹、お尻にかけて黄色が入っているのですぐに見分けが付きます。
ハクセキレイ、セグロセキレイとも2羽以上で見ることが多いのですが、縄張り意識が強いキセキレイは大抵1羽でいます。
また、流れのある水路や小川も好むようです。
ですから人間の都合のみで水路の水が止められ、カラカラに乾いた基盤整備された田んぼではまず見ることはないでしょう。

 花まる農家の田んぼで3種が見られるのは栃木県にある水口博さんの田んぼ。
今度訪ねたときは是非セキレイの仲間たちにも眼差しを向けてみてください。
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2009年03月01日

稲刈り後の田んぼの生きものたち

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チュウサギ
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クビキリギス
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アマガエル
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シマヘビ
 稲刈りが終わると田んぼに誰も来なくなってしまうため、生きものがいないイメージがあるが、実際のところはどうなのか?
生きものいっぱいの無農薬田んぼを見てみよう。

 先ず稲刈り直後の田んぼを見てみよう。
隠れ家を失い姿が露わになったカエルやバッタ、徘徊性のクモたちが目に付く。
冬眠に向けてクモやコオロギなどを食べるので、カエルが1年の中で最も太っている時期だ。
またそれらを狙ってチュウサギやシマヘビが田んぼに集まってくる。
まさに食欲の秋だ!

 最も目立つのがアマガエル。
稲刈り前と違い、土に似せたり、藁に似せたりと様々な体色変化を見せてくれる。
バッタ、コオロギ、キリギリス類も翅(はね)が生え揃い、成熟した姿で美しい虫の声を聴かせてくれる。草がある程度生えている畦ではオンブバッタやクサキリ、クビキリギスなど、葉っぱそっくりの羽を持つ虫たちも見られる。

 稲刈りが終わった後も生きものたちに場を提供してあげられる農家が増えたら、トキやコウノトリたちも棲みやすくなるだろう。

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2009年01月01日

トキ放鳥〜その後

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 冬水田んぼに助成金が付くずっと前から無農薬・無化学肥料で田んぼに水を張るトキの田んぼを守る会の農家、78回も佐渡に通い交流と生きもの調査を続けていた根本副理事長、冬水田んぼを佐渡に持ってきた岩渕先生。
その他メダカのがっこうからも多くの関係者が見守る中、皆の予想に反して、初めて飛ぶ野外で空高く舞い、見えなくなった10羽のトキ。
連日その行動がニュースを賑わしている。
しかしトキたちの今後についていくつか心配事もある。
 
 先ず驚いたのは、背中に識別のためのペイントと発信器を付けていることだ。
試験放鳥とはこういう事なのだろうか?
望遠で撮った写真をみてギョッとした。
ペイントはトキ本来の美しさを消してしまうので残念。
また、背中に付けている発信器は、日常生活の邪魔、特に繁殖行動時において邪魔になるだろう。
金属を背負っているわけだから、落雷しないのだろうか?と心配になったりもする。

 野生復帰が目的の放鳥。
自力で餌を採り、塒(ねぐら)を探す。
我々に出来ることは環境を守ってくれている農家を応援することだろう。
人の営みが自然と調和することで何千年も保たれてきた生きものいっぱいの田んぼ風景が甦ることを祈って。
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2008年11月05日

佐渡にコウノトリ飛来 ― トキ放鳥後に思いを馳せる

 コウノトリは田んぼに現れる鳥の中ではおそらく最大だろう。アオサギよりも一回り大きく、羽根を広げると2mにも達する。遠くから見ると、餌を探している姿はまるで草取りをしているお婆さんのようでもある。

 今年、トキ放鳥前の佐渡島に野生のコウノトリが現れて話題を呼んでいるが、メダカのがっこうスタッフも遭遇、撮影に成功した。無農薬で水を張る田んぼが増えたために飛んで来たようだが。どこで餌を採っているかと思ったら、水田内水口のコンクリートで囲まれたポンプの水たまりを漁っていた。早速我々も同じ事をしてみたところ、ドジョウやヒメゲンゴロウなどが網に入ってきた。

 「よし、これならトキも大丈夫かも」と一瞬思ったが、トキはコウノトリのように脚や首が長くないので、ポンプの周りで餌を捕るのは難しそうだ。

 それにしてもタイミングが良すぎる。トキとコウノトリが同時に暮らす、日本の原風景が佐渡に甦るなんて! コウノトリやトキを国内で野生絶滅させたのは人間だ。人口60億以上に対してコウノトリは数千羽、トキは数百羽しか生き残っていない。償いの意も込めて、新たな農業、街づくりが始まることに期待したい。

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佐渡の田んぼ周辺を歩き回るコウノトリ。
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空を飛ぶコウノトリ。首を伸ばして飛ぶので、サギ類とは容易に区別が出来る。
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トキの全身像。コウノトリのような長い首や脚はない。

posted by hayashi at 23:25| 田んぼの生きもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月17日

水際の小さな虫たち その2 -田んぼの生きもの通信H-

 田植えが終わった田んぼを覗いてみると、アメンボが水面を泳いでいるのを見かけるが、田んぼに多いのがヒメアメンボ。
池やプールにいるアメンボより一回りからだが小さいことが、稲株の間を泳ぎ回るのに都合がよいのだろう。
ちなみに小川や水路のたまりにいるのがオオアメンボという脚の力が強い種類だ。
こちらは少し流れのあるところにいることが多い。

 さらにイトアメンボというアメンボもいる。
こちらは細く弱々しい身体で、水面をトコトコ歩き回る。
やはり田んぼに多い種で、稲株の間を歩き回って食べ物を探す。
田植えの時期、生きものいっぱいの田んぼで作られた苗に一緒に付いてきていることもあるので、注意してみてみよう!

 アメンボ類は主に水面に落ちて溺れている虫(蛾、ユスリカ、アリなど)の体液を吸って生きている。
どこにでもいる生きものの代表格だったのだが、農薬散布や基盤整備による湿地の減少でずいぶん数が減ってきた。

 田んぼイベントではこのような脇役たちにも視線が注ぐことで、田んぼの奥深さを感じて欲しい。

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ヒメアメンボ
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ヒメイトアメンボ
posted by hayashi at 03:25| 田んぼの生きもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月15日

水際の小さな虫たち その1 -田んぼの生きもの通信G-

 春の初めに生きものいっぱいの田んぼで見られる小さな命を紹介しよう。
多くの田んぼが土地改良の名の下に砂漠化しているため、春に生きものを見ることが出来なくなっているが、生きものいっぱいの冬水田んぼでは藁などを分解するトビムシ類や、小型のウンカ類、それらを食べる肉食性のカメムシ(ミズギワカメムシ類、カタビロアメンボ類)を見ることが出来る。

 といっても普通春先に田んぼに行く人などいないか。
しかも小さいため、肉眼で確認するためには水面に顔を近づけなくてはならない。

 一般的にアメンボといえば脚の長い虫をイメージするだろう。
しかしこの2mmのアメンボは見た目はだたのカメムシなのだが、水面を歩き回り、他の昆虫を捕らえて体液を吸うである。
小さすぎるが故に気付かれないから、いつの間にか絶滅危惧種なんてことにもなりかねない。
自然を大切にしながら作物を作ってくれている農家を支援することが、目に見えない微生物まで保護していることにも繋がるのだ。

katabiroamenbo.jpg
カタビロアメンボ類:
2o程度と小さいながら、鋭い口吻で
他の虫の体液を吸うアメンボの仲間
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ミズギワカメムシ類:
5oほどのカメムシ。水面を歩くが、羽を使って
50pほど素早く移動することもある
posted by hayashi at 17:19| 田んぼの生きもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月15日

カエル その2 -田んぼの生きもの通信F-

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ヤマアカガエル
ヤマアカガエルの卵塊_edited.jpg
ヤマアカガエルの卵塊。
ベチョベチョしていて
片手ですくい上げることが困難。
ニホンアカガエルの卵塊_edited.jpg
ニホンアカガエルの卵塊。
こんもりとまとまっており、
片手ですくい上げることが出来る。
今回は2月、3月に産卵するヤマアカガエルとニホンアカガエルを紹介します。

先ずは2月(関東では)に水辺に産卵するのはヤマアカガエル。
最近は温暖化の影響もあってか、1ヶ月早く産卵して田んぼの持ち主を驚かせたこともありました。
田んぼの氷が溶けるか溶けないかの寒い時期に、一斉に冬眠から目覚め、雄はまるで雁のような声で求愛をします。
昨年のNHK「週間こどもニュース」で放送されたのを憶えていますか?
実は取材班が来る前日までは賑やかだったのに、当日は1匹もいなかったのです。
静まりかえった田んぼで中村理事長の解説が収録されました。
メダカのスタッフは一同に自然の不思議を目の当たりにしたのでした。

そして3月に産卵するのは平地に多いニホンアカガエル。
平野部では基盤整備で大地の毛細血管とも言える命育む小川が、3面コンクリート水路に変えられていったため、メダカが絶滅の危機に曝されています。
ニホンアカガエルもその被害者です。
3月に水がなかったりするものですから卵を産む場所がなく、こちらも絶滅危惧種というありがたくない呼ばれ方をされることに。

水と陸を往来するカエルは、生きものいっぱいの田んぼのシンボルとも言える存在で、メダカのがっこうでも生きもの調査の必須項目にしています。
身近な生きものに危機に陥っていると言うことは、我々の子孫にとっての危機とも言えるのではないでしょうか?

田んぼの生きもの調査隊 林 鷹央
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2008年01月15日

ヤゴを見分ける -田んぼの生きもの通信E-

冬到来。
さすがに生きものを見る機会は減るけれど、水面下では春に向けて命が佇んでいる。
ヤゴ(トンボ類の幼虫)もそうだ。

でもよく見るとヤゴって色々な形があるんだね。
大まかに4つに分けると覚えやすい。

yago.jpg
●イトトンボ、カワトンボ : 細長くてお尻にエラが3枚(写真・左から2種)
●トンボ : 身体が小さい(写真・左から3、4番目)
●ヤンマ : 身体が大きい(写真・左から5、6番目)
●サナエ : 頭の先の触覚が丸い(写真・右から2種)

これさえ知っていれば、どんなトンボになるかの予想がつきやすい。
他にも模様や棲んでいる環境で絞り込むことができるよ。

ヤゴは脱皮する度に羽が伸びていくので、形が似ているヤンマとトンボのヤゴを見分けるのに役に立つ。
つまり身体が小さいのに羽が長かったらトンボになる。
それからカゲロウの幼虫がイトトンボのヤゴに似ていたりするけど、脇にエラが付いているかどうかで見分けると分かりやすい。

田んぼで良く見られるのは左から2、3、4番目(イトトンボ類、アキアカネなどの赤トンボ、シオカラトンボなど)で、他は土水路や小川、溜池、川などで見ることができる。

田んぼの生きもの調査隊 林 鷹央
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2007年11月30日

イナゴ -田んぼの生きもの通信D-

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稲に登るイナゴ
稲刈りが終わると生きものいっぱいの田んぼに通うことも少なくなります。
水が引かれ、稲が刈られると水生昆虫や網を張るクモはどこかへ姿を消してしまいます。
しかし調査隊は秋にも生きもの調査を行っているので、そこではまた違った田んぼの生きものの姿を見ることになります。

畦草や蘖(ひこばえ)が残る生きものいっぱいの田んぼはイナゴやオンブバッタがたくさん見られます。
また、それらを食べようと田んぼに残っているカエルたちにも出会えます。
しかし慣行農法では稲刈り後に田を興起し、畦に除草剤を撒いてしまうことが多いようです。
そうするとバッタ類の姿も驚くほど少なくなります。
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イナゴの佃煮とお米

田んぼでよく見られるイナゴといえば、夏は足を擦り合わせてシャカシャカ音を立てるナキイナゴ。
秋はハネナガイナゴ、コバネイナゴなどです。
「稲子」の字のごとく、稲について葉をかじっている姿をよく見かけます。

田んぼは稲だけを作る生産工場だと考えたらイナゴは害虫になりますが、お米以外にも草、イナゴ、タニシ、ドジョウなど食べられる生きものが沢山います。
見方を変えるとありがたい「地の恵」に思えてきます。

田んぼの生きもの調査隊 林 鷹央
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2007年09月01日

カエル -田んぼの生きもの通信C-

シュレーゲルアオガエル.jpg
シュレーゲルアオガエル↑

田んぼの畦でカエルを見かけます。
カエルを漢字で書くと「蛙」となります。
昔の人はよく見ていたもので、畦にいる虫ということで蛙と付けたのでしょう。

田んぼでよく見るカエルと言えば、先ずはアマガエル(ニホンアマガエル)、アカガエル(ニホンアカガエル、ヤマアカガエル)、トウキョウダルマガエル(関東と仙台平野以外はトノサマガエル)の3種類でしょう。
自然度が上がるとさらにシュレーゲルアオガエル、ツチガエルなどが出てきます。
西日本にはヌマガエルが多いようですが、こちらは東日本では見ることが出来ません。

田んぼ脇に森があり、大きなビオトープや溜池が木の下にあれば、モリアオガエルが見られることも!(木の上に卵を産むから)

カエルを見ることで田んぼ周りの自然環境が見えてきます。
農家が生きものに対してどれだけ優しい気持ちを持っているかが分かります。

鳴き声を憶えると真っ暗な中、ホタルを観ながらカエルの種類を聞き分けたりも出来るので、更に楽しさ倍増です。

先ずは基本3種を憶えよう!

アマガエル.jpg緑色で目の淵が黒く、手に吸盤。
ゲゲゲゲゲゲ・・・と鳴くのはアマガエル。




ニホンアカガエル.jpg茶色で背中に2本の線が入る。
冬(2,3月)に産卵するニホンアカガエル。




トウキョウダルマガエル.jpg背中の中心に線が入り、
グワッグワッグワッと鳴くのがトウキョウダルマガエル。
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2007年07月01日

メダカ -田んぼの生きもの通信B-

メダカ.JPG
メダカ

カダヤシ雄.jpg
カダヤシ(オス)
カダヤシ雌.jpg
カダヤシ(メス)

昔は当たり前のように田んぼにいたのに、今ではいることが希で、絶滅の危機までささやかれているメダカ。
基盤整備によって小川が水を流すだけの水路にされ、生息地を失ってしまったことが最も大きな原因です。
また、カダヤシやブラックバス(オオクチバス、コクチバスの総称)、ブルーギルなどの移入種による被害もあります。

メダカというと緋色(オレンジ色)のものを思い出す人もいるかも知れませんが、あれは観賞用に品種改良したものでヒメダカ(緋メダカ)と呼ばれています。
昔は田んぼやどぶ川に沢山いた通称クロメダカの方が、今では貴重な存在となってしまいました。

メダカは泳ぐ力が弱く、流れの速い場所には居られません。
その点田んぼは都合が良かったのです。
土水路で基盤整備される前までは…。

地域全体で生きものいっぱいの田んぼに取り組まないと、近い将来本当に絶滅してしまうでしょう。
全国の河川それぞれの水系にDNAが異なり、形態の差があるメダカがいますが、地域単位で考えると絶滅した地域固有の種も多いことでしょう。

メダカ:頭から背中に黒いスジがあります。
カダヤシ:外来種。卵胎生で繁殖力が強く、メダカの生活圏を脅かしている。
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2007年04月29日

ミクロワールドを覗いてみよう〜ミジンコ -田んぼの生きもの通信A-

 メダカのがっこう事務局には田んぼがあります。もちろん冬の間も水を張っています。日が当たってサヤミドロなどの藻類が湧いて、田面が緑色になってきています。すでに酸素がいっぱいの水になっています。

 1月末日、田んぼの水をすくってみると、もうミジンコが発生していました。試しにコップ1杯の水をすくい、顕微鏡で見たところ、

オカメミジンコ

カイミジンコ

マルミジンコ

ケンミジンコ
の4種類のミジンコが見つかりました。

 では問題です。4つの中で一番小さいのはどれでしょう?

 ミジンコは横から見ると他の動物と同じような顔に見えますが、正面から見るとなんと目が中心に1つ!体を二枚貝のような殻が被っています(ケンミジンコは例外)。メダカなどに食べられた時に殻を閉じて防御することで吐き出されることがあります。運が良いと逃げられますが、動くタイミングを誤るとまた食べられてしまいます。

 オカメミジンコ、ケンミジンコは2mmほどあり、肉眼で確認できます。カイミジンコの仲間は、大型のものはやはり2mmほどになりますが、写真のタイプは0.5mm程度の小さなタイプ。一番小さいのはマルミジンコで、まるで小麦粉の粉一粒程度。写真は600倍で見たものです。こんなに小さいのに背中に赤ちゃんが1匹入っています。オカメミジンコは背中に6匹ほど赤ちゃんを持ち、それが飛び出して親と同じように泳ぎ回ります。マルミジンコの赤ちゃんは写真では1匹だけで、しかも親と比較してもかなりの大きさです。

 小さい生きものですが、目、口、心臓や腸があり、赤ちゃんが産まれる。どんな世界にも命の輝きがあるのだなぁと感心してしまいました。

田んぼの生きもの調査隊 林 鷹央
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「ユスリカと蚊」の違いを知ろう -田んぼの生きもの通信@-

 メダカのがっこう・田んぼの生きもの調査では、土の状態や、他の生きものたちの命を支えるという視点から、イトミミズ・ユスリカ調査を行っています。そこで、今回はユスリカと蚊の違いを見てみたいと思います。


 写真を見てください。今まで同じように思っていた幼虫ですが、拡大してみると随分違います。ユスリカは頭が小さく、ボウフラは身体の側面に剛毛が生えています。この毛のお陰で、メダカのような口の小さな魚はボウフラを上手く食べることができません。

 
サナギの時期を経て成虫になったユスリカ。蚊との違いは口です。蚊には吸血するための口吻(こうふん)がありますが、ユスリカにはありません。蚊は後ろ足が長く、ピョコンと跳ね上がっています。

 小さくて同じように見える虫でも、よく観察してみると違いが分かって面白いですね!

田んぼの生きもの調査隊 林 鷹央
posted by hayashi at 03:36| Comment(4) | TrackBack(0) | 田んぼの生きもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
 
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